【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2016年02月

*葉が多い植物はお得?*

 

私たちの身近なところで見つけられるクローバーは、よく探してみると本来の三つ葉以外にも、ごく稀に四つ葉や五つ葉などの「多葉」なクローバーを見つけることができます。実際は、三つの小葉(三つ葉)が一つの葉を形成している訳ですが、四つ葉が生じるのは、突然変異や葉の形成時に受ける刺激などが原因とされています。「多葉」な形質は遺伝するようで、「多葉」同士のクローバーの交配によって生まれた、56葉のクローバーがギネス記録として認定されています。

 

葉の形のパターン形成にはオーキシンの濃度勾配やLFY、CUC、class I KNOX、PHAN/AS1などの遺伝子が関与することが分かってきています。クローバーの小葉枚数が増える変異体についても研究が行なわれており、近い将来原因が突き止められるかもしれません。もし、クローバーの葉の数を簡単に増やせることができると、牧草としては収量の増加が期待できるのではないでしょうか。

 

植物の葉を形成するメカニズムは徐々に解明されつつあります。近い将来、「多葉」な農作物が開発され、私たちが恩恵を受ける日が来るかもしれませんね。

 

 

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