【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2016年10月

*オートファジー 植物は自分を食べて生きている?!*

 

2016年のノーベル生理学・医学賞の発表で「オートファジー(自食作用)」が注目されています。オートファジーは癌や遺伝病などの疾患と関連があるとされ、医療への応用を期待した研究が進んでいます。一方、植物にとってのオートファジーは、どのような役割を担っているのでしょうか。

 

固着生活を営む植物は、動物のように食べ物を探しに行くことは出来ません。そのため植物は、一度取り込んだ栄養素を何度も再利用しながら成長する「体内栄養リサイクル」機構を備えています。例えば、植物が最も必要とする栄養素である窒素(N)は、イネが新しい葉を作る際に使う窒素の約半分、食用となる穂の窒素の約8割が、リサイクル窒素でまかなわれます。このような体内栄養リサイクルにおいては、「葉緑体」が最も重要なリサイクル源であり、その葉緑体は「オートファジー」により分解さることが分かっています。植物はオートファジーにより自ら栄養素を作り出し、不足する栄養素を補いながら生長を続けます。植物が自分を食べながら成長しているように見えませんか?まさに「自食作用」です。

 

植物のオートファジー関連遺伝子は動物よりも多いと言われていますが、理由は不明です。植物が厳しい環境下で生き残る戦略として、それぞれの機能を精巧に分化させた結果なのかもしれません。植物オートファジー研究の今後に期待しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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