【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2017年2月

*桜前線「南下」中?!*

 

少し気が早い気もしますが「桜」のお話です。今、桜前線が「南下」しています。本来桜前線は「北上」するものですが、ではどこで桜前線が南下しているのか…それは、沖縄をはじめとする南西諸島です。

 

桜の開花には「冬季の低温」が必要です。桜は冬前に花芽を形成して休します。そして低温(冬)にさらされることで休眠が打破(春化)され、その後気温が上昇する(春になる)と開花します。本州では、冬季温度が桜の春化に必要な温度まで下がるため春の気温上昇と共に開花しす。一方、沖縄の冬は地理的な要因で、北部から先に気温が低くなるそうです。この気温の低下により桜が春化されますが、沖縄の日中は冬季でも桜の開花には十分なレベルまで気温が上昇するため、春化された桜から開花していきます。つまり、本州では春の暖気の北上に桜前線が連動しますが、沖縄では寒気の南下に連動するため、桜前線の「南下」が起きるのです。

 

ほとんどの植物で、開花時期は気温と密接な関係があり、開花を「抑制する遺伝子」と「促進する遺伝子」が温度変化で真逆の反応を取ることが知られています。例えば、気温が低下するにつれ、花成「抑制」遺伝子であるFLOWERING LOCUS C (FLC)遺伝子の発現量は低下し、対照的に発現量が上昇するのが花成ホルモン「フロリゲン」として知られるFLOWERING LOCUS T (FT)遺伝子です。暖冬でも寒冬でも春に一斉に開花する植物たち。それを可能にしているのはこの様な複雑な調節機能を持っているためです。

 

本州では4月頃から楽しめる桜。もし1月や2月の沖縄に行かれる際は、少し早いお花見を楽しむのも良いですね。

(ちなみに、沖縄で開花観測される桜は「寒緋桜(カンヒサクラ)」です。本州で観測される「染井吉野」は、沖縄では開花のために必要な寒さに達しないそうです)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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