【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2019年4月

*なぜ、ペチュニアの葉はベタベタしているのか?*

 

すっかりと春の陽気となり、植物も芽吹き出すこの時期は、ガーデニングに最適な季節ですよね。ガーデンニングにおいて、春から秋までと比的長い期間、花を楽しめることで人気な花の一つがペチュニアです。

 

現在、ペチュニアは花色、咲き方、株のまとまりなどが違う多種多様な品種があり、寄せ植えなどによく使われる花となっています。しかし、花が綺麗な反面、栽培管理するときに、ペチュニアの葉のベタベタが気になって、ペチュニアが苦手と感じてしまう方もいます。

 

ところで皆さんは、ペチュニアはどうしてあんなにベタベタしているのか、疑問に思ったことはありませんか?その理由は諸説ありますが、ペチュニアの原産地の環境が大きく関係しているそうです。ペチュニアの原産国南米の草原には、ハキリアリという蟻がいて、その蟻に葉を切り取られないようするために葉や茎から粘液を出しているそうです。ハキリアリがいない森林や海沿いに生育している他の原種は、粘液を出す必要がなく、ベタベタしていないようです。

 

遺伝的に見ると、非粘性個体と粘性個体を交配すると、非粘性個体となるようです。つまり、非粘性形質が優性となります。それでは、なぜ、日本の園芸種がベタベタしないペチュニアにならないかというと、その粘性物質がアブラムシ除けになるからです。日本の環境では、ペチュニアは、アブラムシの媒介するウィルスによってすぐに病気にかかってしまうため、あえてその形質を残しておいているようです。

 

ペチュニアのベタベタが苦てな方も、こうした理由を聞くと、見方もかわってくるのではないでしょうか。植物の生育環境や性質には必ず意味があるということを植物が私達に教えてくれているかもしれません。

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