【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2020年1月

*どうしてこのような形に?「マダガスカル・レースプラント」の謎*

 

植物は、もともと水の中で誕生し、ワカメや昆布といった海藻の仲間は、ずっと水の中にいて一度も陸上に上がったことがありません。一方で、水草は“陸上に一度生息し再び水中に戻った植物”のことを指します。

 

そんな進化を遂げてきた水草の中に、非常にユニークな水草がマダガスカルに生息しています。その名も“マダガスカル・レースプラント”。この水草は、葉っぱの葉脈を残して穴が開いており、レースのように見えることからそう呼ばれています。名前の通り、水中ではまるでレースカーテンのような透き通った葉をなびかせて生息しています。

 

“マダガスカル・レースプラント”は、マダガスカル固有種の水草であり、熱帯に珍しく雨季と乾季の降水量の差が激しい土地(雨季に限定的に現れる沼のような場所)にレースプラントは生息しています。新芽はレース状にはならず、生長にともなって徐々に葉に穴が開きレース状になります。この現象は、自らの不要な細胞を計画的に消滅させる“プログラム細胞死”の一つであると考えられています。また水面上に淡い紫色の花を咲かせ、花が終わると休眠状態に入ります。そして球根(塊茎)に栄養を溜め込み、葉を落とします。こうして大量の水に侵される雨季に、葉の表面積を小さくレース状にし、激流に耐え、頻繁に休眠期に入ることで、マダガスカルという環境変化の激しい地で生き抜く術を身につけたのかもしれませんね。

 

このように植物は、動くことができないからこそ、自生地に順応する形で進化してきました。研究技術が発達してきた現在でも、植物の形態形成や生理現象などが明らかにされていない事例も多くあります。世界中のユニークな植物の進化の起源や現象を研究することで、今後益々人間の生活が豊かになるような新しい発明のヒントが隠されているかもしれません。

 

 

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