【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2020年6月

*あらゆる困難を乗り越えて誕生した水草の知られざる誕生物語

 

水槽の中で熱帯魚や水草、サンゴなどを飼育し、夜はライトを当てて鑑賞を楽しむことができると話題の「アクアリウム」。熱帯魚ショップを覗いてみると、

様々な種類の水草が売られていますよね。でもこの水草、実は“一度陸上に進出し、また再び水中に戻った植物″であったことをご存知でしたでしょうか。

 

水草はそもそも世界で約2800種、そのうち日本に250種ほど生息しているといわれています。一方で、陸上植物は、約35万種生息しているので、水草の品種は、陸上植物に比べかなりの少数派であることがわかります。

時を遡って見てみると、地球が誕生してから水の中に生命が誕生したのが、今から40億年前、そこから様々な生物が進化を遂げてきました。その中で植物が誕生したのが12億年前であり、最初の植物は水中で誕生しました。その後、水中植物が誕生し、5億年前にはじめて陸上へ植物が上陸したのです。

この上陸を機に、皆さんがご存知のコケ植物やシダ植物、種子植物が次々と誕生していきます。

 

ではなぜ、水草は、せっかく陸上で適応能力を獲得したのに、わざわざ危険を犯してまでも水中へ再び戻ろうとしたのでしょうか?

そこには、水草の巧妙な生物戦略が隠されていました

 

陸上生活では、光と空気(酸素)に恵まれていますが、一方で、水中は、水や温度の変化が少なく、体を支える仕組みも陸上ほど複雑に適応する必要がありません。さらに当時、陸上植物がどんどん繁栄して行く中、水中が空いていたんですね。生物は空いた空間に入り込もうとする性質があり、水草は、空きあればとばかりに水中へ移動し、生存競争に巻き込まれることなく快適に生育しようと考えたのでしょう。それを実現したのが、今私達が水槽の中で目にして鑑賞している水草というわけなんですね。

 

どんなに困難なことでも諦めずにトライし続けていれば、いつか必ず希望が見えてくる。そんなメッセージを水草が、時を経て私達に教えてくれたのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

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