【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2022年1月

*斑入り植物は、江戸時代の植物愛好家によって世界へと広まった?

 

斑入り植物と聞いてみなさんは、どんな植物を思い浮かべますか?一般に葉は均一な緑色ですが、部分的に白色や黄色となっている斑入りのポトス、サンスベリア、アイビー、オモトなど現在では、草花をはじめ多くの植物で斑入りの品種があります。斑入りは、緑一色のものよりも変化に富んでいて、インテリア性があり、品種や個体によっても模様が様々で、その希少性から高値で取引される植物も存在しています。

そんな斑入り植物、今でこそ私達の日常にすっかり馴染んでいますが、認知されるまでは『奇形』、『不良株』などと除け者扱いされてきました。しかし、江戸時代に、『水野忠暁(みずの・ただとし)』という斑入り植物愛好家によって、その価値観が大きく覆る事になったのです。

 

江戸時代では、将軍をはじめ大名、旗本御家人まで、身分の上下を問わず、草花の収集や栽培を愛する武士が少なくありませんでした。その旗本のひとり水野忠暁(1767-1834年)は、江戸時代後期の旗本園芸家で、珍しい植物が好きな「珍奇植物愛好家」としても有名でした。とくに斑入りの万年青(オモト)という植物を好み、彼が育てた斑入りの植物は実に3000種類もあったようです。当時は人気がなかった「斑入り植物」ですが、彼の栽培研究をきっかけに斑入りの価値がぐっと高まり、ひと際人気がでるようになったそうです。当時日本との外交で訪れていた外国人にもその魅力が伝わり、自国へ斑入り植物を持ち帰り、現地でも広く普及していき斑入り植物の魅力は、彼の熱い思いもあり世界へと広まっていきました。

 

江戸時代から150年以上たった現代において、斑入りのメカニズムは徐々に解明されつつあります。今後、益々研究が進んでいく中で、ゲノム編集技術などを利用した育種も考えられるでしょう。私たちがオシャレを楽しむように、植物の斑入りなどの模様をオーダーメイドし、水野忠暁も驚くような「超珍奇植物」が作れる時代はそう遠くはないかもしれませんね。

 

 

 

 

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