【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2024年7月

*猛暑にも負けずたくましく成長するセンチュリープラント

 

最近、外出することが危険なレベルの暑さが続いていますね。そのようななかで、さらにホットなニュースが入ってきました。100年に一度しか花を咲かせないセンチュリープラントと呼ばれる「リュウゼツラン」が日本のあちこちで開花しているとのことです。横浜市でも開花情報が確認されており、私自身も実物を見てきました(画像参照)。センチュリープラントという表現もあってか、現地には多くの人が一目見ようと集まっていました。実際には大げさな表現であり、日本の環境では、30年〜50年ほどで開花するそうです。ですが近年の温暖化により、日本の気候がリュウゼツランの最適環境に近づいたためか各地で開花情報が重なったようです。

 

リュウゼツラン(和名:竜舌蘭)は、ロゼット状に広がる肉厚な葉が特徴の多肉植物です。別名(英名)として「アガベ(学名Agaveより)」や「センチュリープラント」と呼ばれています。アガベの種類は300種類以上もあるとされており、葉の形、トゲの形状、葉の厚み、斑の有無、など、非常にバラエティー豊かです。多くの種で長いトゲのついたギザギザ型の葉っぱをもち、その野性的かつ無骨でかっこいい容姿から多くの園芸愛好家によって注目されています。

 

リュウゼツラン(アガベ)は、主に南アメリカ北部の岩場や砂場などの厳しい環境に自生していて、朝晩の厳しい寒暖差に加え、強い直射日光を浴びながらも生育しているため、暑さ、寒さ、乾燥に強く、初心者の方にもかなり育てやすい植物です。センチュリープラントと呼ばれるだけあって、成長は非常に遅く、そのため長く鑑賞を楽しむことができ、数十年に一度花を咲かせます。またマイナス30度まで耐える品種もあり屋外で地植え、屋内ではLED照明下で栽培しインテリアのひとつとして楽しむこともできます。

 

種類の多さによる観賞価値と栽培のし易さから、アガベの人気は益々高まっています。あなたもお気に入りのアガベを見つけ、ゆっくりと時間をかけて栽培してみてはいかがでしょうか。今回のニュースのように、記念すべき開花の瞬間に立ち会うことができるかもしれません。

*「リュウゼツラン」@横浜市の開花の様子*

2024年7月17日撮影

2024年7月28日撮影

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