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【2019年03月11日】
お知らせ
バイオテクノロジーによる「光るシクラメン」の開発に成功
-蛍光タンパク質を組込んだシクラメン-
株式会社インプランタイノベーションズは、蛍光タンパク質情報をシクラメンに組込むことにより世界で初めての「光るシクラメン」の開発に成功しました。
シクラメン(Cyclamen persicum)は、冬季の代表的鉢花で日本国内での作付面積や出荷量は鉢花類のなかで最も多い主要な花きです。今回開発した「光るシクラメン」は、海洋プランクトンの一種であるキリディウス属(Chiridius poppei)から発見された新規蛍光タンパク質の遺伝子情報(注1)を遺伝子組換え技術を用いて白花のシクラメンに導入したもので、暗闇で特定の波長の光(青色LED)を当てると鮮やかな淡黄色の蛍光を発します。同様の原理に基づく光る花としては、今までに光るトレニア(注2)を作出しています。
一般にシクラメンの花弁は5枚ですが、光るシクラメンは雄しべが自然突然変異で花弁化した八重咲きタイプです。雄しべの代わりに花弁が形成させているため、花粉の飛散が抑えられています。一方で、このシクラメンは種子は採れませんが、当社が保有する組織培養技術の応用によりクローン苗として増殖することが可能です。
光るシクラメンは、遺伝子組換え技術を用いて開発されたものなので、一般に栽培あるいは販売するためには、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律」(通称カルタヘナ法)に基づき、農林水産省と環境省から認可を得る必要があります。この認可を得るためには様々な実験を行う必要があることから数年を要します。
この光るシクラメンは、消費者向けの鑑賞用としてだけでなく、クリスマスの街を照らす未来型イルミネーションとしての展示ビジネスなど様々な用途が期待されます。
なお、今回の「光るシクラメン」は、東京ドームで開催された「世界らん展2019-花と緑の祭典―(2019年2月15日~22日)」で特別展示されました。
(注1)
「新規な蛍光性タンパク質とそれをコードする遺伝子」(WO2005/095599)
(注2)
農研機構花き研究所・NECソリューションイノベータ(株)・国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学・株式会社インプランタイノベーションズの共同研究により作出
組換えシクラメン(LED照射)
同 自然光下
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