【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2022年4月

*深堀りすると面白い!竹の成長速度の秘密

 

「たけのこ(筍)」は春の味覚を代表する食材のひとつであり、3月中旬から5月初旬に旬を迎えます。筍の漢字の「旬」とは10日間の意味を示しており、筍は短期間で成長し、あっという間に竹になり、固く食べられなくなることから、「筍」になったと言われています。

 

皆さんもご存知のように、竹はとにかく成長が早い植物であり、1日で最大1.2m、 2~3カ月で10~20mほどにもなります。一般的な樹木では、同じ20mくらいになるまでに30~40年はかかるので、竹の成長速度がどれだけ早いかお分かりいただけるでしょう。そんな竹の驚くべき成長スピードですが、竹の持つ組織構造に秘密が隠されていました。

 

多くの植物は先端(茎頂組織)が活発に細胞分裂を繰り返すことで、上へ上へと成長し伸びていきます。しかし、竹は、茎頂の他に、約60個ある各節にも成長点(生長帯)があり、先端と各節の生長点が同時に細胞分裂を繰り返す性質を持ちます。ひとつの節間の成長は僅かでも、全体では大きな伸びとなるのですね。ちなみに節の数は成長段階で決まるのではなく、成長初期(筍の状態)ですでに数が決まっています。筍を縦にカットしてみてください。内側に見えるヒダヒダが節にあたる部分です。

 

また竹は、地下茎で繋がっている植物なので、光合成で得た栄養分を地下に貯蔵します。貯蔵された栄養分は、若芽である「たけのこ」に栄養を与えます。このように、竹は、地下茎に蓄えた栄養素を使うことができるため、他の植物よりも早く成長することができるのです。

 

このように生存競争に打ち勝つため、周りの植物よりも早く成長ができる構造をもつ竹。「竹に帽子をかけたのを忘れ、次の日には帽子が取れなくなった」なんていう笑い話もあるくらいです。GW中などに春のレジャーとして、タケノコ堀りをしたり、竹林を見つけた際は、是非今回ご紹介した内容を思い出してみてください。

タケノコのある場所を事前に予測したり、成長の違いを楽しんだりと、今までとは違った竹林の景色が待ち受けているかもしれませんね。

 

 

 

 

 

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