【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2022年9月

*バナナが絶滅の危機?バナナにもワクチンを!!

 

私達にとってバナナは栄養価が高く気軽に食べられることから、多くの人に愛されている果物です。ですが実は今、私達が普段食べているバナナが10年後には絶滅するのでは、と危惧されています。こうした状況を招いているバナナの特性と今後の対策についてみていきましょう。

 

■バナナの特性

いま私たちが食べているバナナは、もともと種を持つ果物でしたが、突然変異によって種なしのバナナが出現しました。オスとメスの2つの遺伝子をもつ2倍体に対して、市販されているバナナは3倍体になります。2倍体は正常に減数分裂をすることができますが、3倍体は減数分裂がうまくいかず、種子をつくることができないため「種なしバナナ」となります。また3倍体は2倍体に比べ、ゲノムサイズが大きいため植物体のサイズが2倍体より大きくなる傾向があります。また種がないことで種子形成に栄養を取られず、その分の栄養を「実」に蓄積することができ果実(可食部)が大きくなります。

 

■バナナの生産方法

それでは種ができないバナナは、一体どのようにして生産・増殖するのでしょうか?

「種なしバナナ」は、本来種子に提供すべく栄養分を使って、株元から新しい芽を出します。その新芽を挿して植え替えることによって、バナナを増やしています。また株分け以外にも、組織培養によりクローン苗を大量生産する方法もあり、短期間かつ安定的に苗を大量生産できるため、株分けよりも生産性が高くなります。株分けや組織培養で増殖した株は、親株と同じ性質をもつクローンとなり、例えば病気に弱い株のクローンは親の性質もコピーされて、必然的に病気に弱い株になります。

 

■今後のバナナ需要と対策

私達が普段食べているバナナにあたる「キャベンディッシュ」という品種のバナナは真菌によるシガトカ病の感染拡大が深刻な状況で、殺菌剤を使用しながら、なんとか生産をしている状況にあります。

 

将来的にも栄養価値の高いバナナの需要は大きくなることが見込まれていることからも、様々な病気に強い“スーパーBanana”のゲノム編集による育種や殺菌剤の開発、そして安定したクローン苗生産技術などにより、世界の「バナナ危機」を解決したいものです。

 

(参考情報)https://globalnewsview.org/archives/19374

 

 

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