【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2018年4月

*コウモリランという植物をご存でしょうか?*

 

みなさんは、コウモリランという植物をご存でしょうか。

 

コウモリランは、ランの仲間ではなく、シダの仲間で、ウラボシ科・ビカクシダ属の植物です。原産地は、インドネシアやオーストラリアで、雨季と乾季がはっきりと分かれる熱帯地方に分布しており、木や岩石などに着生して生活しています。おもしろいことに、ビカクシダは、雨季と乾季がはっきりと分かれる厳しい熱帯環境に適用するために、「胞子葉」、「貯水葉」という特殊な2つの葉が発達しました。

 

名前の由来でもある、コウモリが大きく羽を広げたように大きく成長する「胞子葉」は、成熟期になると葉の裏側に胞子をつけます。また、葉の表面は、シルバーにも見える星状毛という白い毛で覆われており、原産地の強力な日光を反射させ、葉を守る、水分の蒸散を防ぐ、害虫から葉を守る役割を果たします。つぎに「貯水葉」は、乾季に備えて水を貯水するためのものであり、その上部は、手のひらを上に広げたような構造をしています。この構造により、木の上から落ちてくる落ち葉や虫の死がい、鳥の糞などをキャッチし、細菌によって分解され、株の養分として吸収されていきます。

 

人と違い動くことができない植物。動くことができない代わりに、周りの環境にうまく適応してきた植物の特徴を知ることで、より一層植物が好きになると思いませんか。

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